みっともない!! 116
ぼくにはやりたくない職業というものがある。
それはタクシーの運転手だ。
別に職業差別とかではなく、本当にやりたくないと思っている。
なぜやりたくないかというと、ひとつは密室であること。
ドアがあるので、別に出入りは自由ではないかと思われるだろうが、
客を乗せるという仕事上、客を乗せれば走らなくてはならない。
走ればドアは開けられない。
これが密室状態ということ。
次に、これが9割方決め手になっているのだけれど、
客から完全無防備だということ。
別にみんながみんな襲ってくるわけじゃあるまいしと思われるだろうが、
襲われることが怖いんじゃない。
客がじっーとぼくの後頭部を見つめていることに耐えられないのだ。
客が後頭部を見ていると思うと・・・、ああー、運転どころじゃないでしょ。
「お客さん、何か付いてますか」
「何が」
「私の頭を見てましたでしょ」
「いやー、見てないよ」
「そうですか、私の気のせいでした。ごめんなさい」
と私はちょっと安心して運転を続ける。
が、客は再び私の後頭部をずっと見続けている。
ああー、嫌だ嫌だ、こんな仕事。
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