この不況の中で、躍進を続けるユニクロ。
ぼくはヒット商品「ヒートテック」の恩恵には、まだ預かってはいないが、
ユニクロの素晴らしさを10年ほど前に知った。
そもそも、ぼくはジャージーが大嫌いであった。
暴力団下部構成員とか体育会系のイメージがどうしてもあったし、こんなもんでよく町を歩けるものだと感心していたもんだ。
ある冬、リラックスできる室内用の下ばきを探していて、ユニクロでポリエステルかナイロン製の薄い生地のズボンを初めて買った。
いつも家の中ではいていたのだが、ある日タバコを買いにそのまま外に出た。
外は、冬の冷たい風が滅茶苦茶に吹き荒れていた。
ところが、このズボンは全く風を通さないどころか、暖かさをそのまま保っていることに気付いた。
ぼくはその頃、ゴルフをやっていた。
若い時に比べれば、その数はかなり減っていたが、それでも寒い冬も出かけていった。
冬のゴルフは防寒の仕度が大変だった。
ズボンの下にパンティストッキングを穿いたり、スキー用のパッチを穿いたりして、しのいでいた。正直、苦であった。
ぼくはゴルフにユニクロで買ったこのズボンをはいてプレーすることにした。
完璧であった。何の問題もなく、寒さはしのげた。しかも一枚で済んだので、とても楽であった。
この日から、ユニクロの防寒対策がいかに優れたものであるかを知らされる。
ゴルフのメーカーがユニクロの真似をし出した。これまで、ゴルフの服というのは、マナーという割と厳しい制約があった。その範疇でプレーするためには、ズボン下にらくだの股引きやパッチを穿かなくてはならなかった。その必要がない防寒ズボンがどんどんと作られていった。
こうして、ユニクロの防寒ズボンはぼくにとって毎年冬には欠かせないものとなった。町には、この暖かさに味をしめた低所得層のユニクロおじさんたちがいたるところで見られるようになった。
ところが2年程前、ユニクロは若者路線に的を絞る展開に変更した。この頃から、おじさんたちの着るものが少なくなっていった。
現在ぼくは、ユニクロの代名詞は「ヒートテック」なんかではなく、「フード」だと勝手に思っている。どうして、ユニクロの製品には、こんなにも「フード」付きの服が多いのだろう。きっとファッションの一部としてのデザインなのであろう。
が、おじさんたちには、使わぬフードなんか余計なのである。
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