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2008年2月 5日 (火)

みっともない!! 100

第百回記念「本当にあったあぶない話・前編」
 ぼくは貝の中で、シジミが一番好きだ。天ぷら屋のとってもおいしいシジミの赤だし味噌汁の、シジミの身は残さず食べてしまう。そして、お膳を下げにくる仲居さんが空の貝殻を見て、「まぁ(この人、全部食べなはったわ)」という表情に、どんなもんじゃいと思うのである。
 今シジミは高い。大スーパーでは青森産のそれはこぶし大(20個くらい)程度で、4~500円はする。しかもたちが悪いことにこれらは冷凍から蘇生された半死状態のものばかりである。要するに鮮度も失われ、従って味もよろしくない。
 子供の頃、我が家でシジミの味噌汁はぼくの担当だった。何故ならばダシの必要がなかったからだ。浦安から売りに来る“アサリ売りのおっちゃん”から買った20円のシジミを洗って、湯でグツグツ煮て、白くなったら火を止め、味噌を入れてハイ終わり。
 今はこうはいかない。大スーパーで買う高いシジミからも白濁具合は失せ、濃厚だったエキス味もだらしなく、ダシをいれなければおいしくいただけない。

 近所に安くて有名な八百屋がある。韓国や中国の料理店の人が仕入れに困った時とか材料不足の時に利用しているし、水商売の人は果物をよく大量に買っている。韓国、中国の客が九割を占めていると思われる。店員もインド人、バングラデシュ人、中近東らしき人種も含まれていると思われ、それがまことに日本風商いの中に馴染んでいて、面白い。とにかく繁盛している。しかし、ここの経営者は日本人なのだ。なぜかというと、韓国人とか中国人とかがうまい話をもってくるらしく、そんな時、「韓国人は金を貸したら二度と返さない」とか「中国人は口先だけ!」とかの言葉をよく耳にするからだ。
 ここでぼくは軒先に並べられている野菜をよく買っている。が、いつも混んでいるので、一品か二品買ったら、店先で金を払い、さっさと引き上げることにしていた。店は中まで続いているのだが、その狭さでの混雑を見ているととても入る気にはなれなかった。
 そして去年のある日、客のいない頃合を見かけ、初めて店の奥まで入ってみた。驚いた。八百屋と思っていたのだが、中は得体の知れない魚を含む鮮魚や冷凍魚、干物、貝類がずらっと並べられていて、大きな魚をさばいたりもしていた。乾物類や加工品もたくさん並んでいた。
 その中に赤い網袋に入ったシジミを見つけた。が、いつも食べる全身黒茶色のシジミとは違い、白と薄黒色のブチ模様で、大きさはやや大粒だった。
 近くで魚をさばいていたおじさんに尋ねた。
「これ、シジミだよね?」
「そうだよ」
「いくら?」
「みっちゃーん、今日シジミ、いくらぁー?」と別の従業員の若者に声をかける。
 みっちゃんから150円という返事が返ってきた。
 こぶし2個分の分量である。安い。うーん、安すぎる。
 頭の中で《北朝鮮産》というくすんだ煙文字が浮かんだ。どうしたもんかと、横に目が流れる。と、そこには山盛りにされた30センチもある冷凍のアジの開きが1枚100円で売っていた。うわぁー、どうしよう。心はいいもんメッけたとウキウキしているのだが、頭の中は《北朝鮮産》の煙がぐるぐると回っている。
 真相を解明すべく先程のおじさんに《北朝鮮産》にむけての誘導尋問を開始した。
ぼくはシジミをぶら下げながら、
「どうしてこんなに安いの?」と問うた。
「それ中国産なんだよ。防腐剤たっぷりだから、味噌汁はやめといたほうがいいよ」
とあっさり教えてくれた。誘導尋問終了。
 臭いし、身体によくないシジミか。頭の中ではゆらゆらと揺れていた《北朝鮮産》の煙文字が、ピカッと光る金赤のネオン文字に変わった。
 悩んだあげく、ぼくはこの親切正直おじさんに免じて、シジミを買うことにした。もちろん、アジの開き、もだ。
 シジミはものすごく汚く、何回ももみ洗いして汚れを落とした。そして明日朝食べようと少なめの水につけておいた。
 翌朝起きてみるとシジミを入れておいたボールの回りが水浸しになっていた。アサリみたいな10代の射精までとはいかないが、ま、五歳児の射精か(例えですよ)、とにかく元気いっぱいなのだ。たかが貝の射精に(例えですよ)、こんなに興奮するのは何年ぶりだろうか。
 だが、ぼくは大好物なくせにその調理法はあまり知らない。台湾料理屋での老酒漬けが一番なのだが、自分にできるのは味噌汁かスープ、無理して醤油の甘辛煮付けくらい。なので、親切正直おじさんの忠告を無視して、禁断の味噌汁を作ることにした。
 まず鍋にシジミと水を入れ煮立たせる。湯が青白く濁ってくる。シジミのエキスだ。シジミのエキスという語感もたまらないが、そのエキスの流れ出た青白いスープも不気味な魅力に満ちている。防腐剤がたっぷりというところも化学の実験的な雰囲気を漂わす。加えて、半死状態ではなく、しっかりと射精するピチピチの生体であるから、思わずヒッヒッヒッと口元がゆがむ。アクをすくい、思った以上に濃くなったエキス液体をお玉でゴクッと味わう。
①な、なんだ、この味は
②わおー
③ぐぇっ
三者選択を考えていただいて、後編へと続きます。

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コメント

副業がてら始めたのに、3回ヤっただけでもう本業超えたんだけどwwマジメに仕事してんのバカらしくなってきた(´・ω・`)
http://bootan-r.net/umaa/9MBu2o4j

投稿: 仕事やめておk? | 2008年2月25日 (月) 13時37分

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